
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時の無呼吸症状は、眠っている間に呼吸をしていない状態を何度も繰り返す病気です。
睡眠中に舌や軟口蓋が緩み、一時的に気道が閉塞されるため、呼吸が停止します。呼吸の停止により脳が酸素不足を感知して、呼吸を回復するために一時的な覚醒(目覚め)を即すので窒息することはありませんが、この呼吸状態を一晩に何度も繰り返すことで、睡眠不足による昼間の強い眠気や様々な病気を誘発することがわかっています。
睡眠時無呼吸症の定義
一晩(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上、
または、睡眠1時間あたりの無呼吸回数や、低呼吸回数が5回以上発生し
そのいくつかはノンレム睡眠(熟睡時)にも出現する。
さらにいびき・夜間の頻尿・昼間の眠気・起床時の頭痛・疲労感・倦怠感などの症状がある場合、内科や耳鼻咽喉科等で睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
①顎が小さい:40%
②肥満:35%
③扁桃腺肥大:20%
肥満が主な原因だと言われていますが、日本では40%以上の方が肥満ではなく、顎が小さいことが原因だということが分かっています。
日本における睡眠時無呼吸症候群の潜在患者は1000万から1200万人前後ともいわれています。
睡眠時無呼吸症は“いびき”、”息が止まる”、“日中の強い眠気”など居眠り運転事故、作業効率の低下、判断ミスなど社会生活に大きな影響を与えます。
また、放っておくと血液中の酸素不足により肺機能へ大きな負担がかかり、心筋梗塞や脳梗塞など生命にかかわる合併症の危険が高まると考えられています。
睡眠時無呼吸症の主な症状
【夜間】
* いびき
* 疲労の回復しない睡眠
* 不眠
* 頻回の中途覚醒
* 夜間の流延
* 夜間の頻尿
* 寝汗
* 性機能低下(ED)
【昼間】
* 日中の眠気(EDS)あるいは疲労感や倦怠感
* 記憶障害、認知障害
* 起床時の頭痛、頭重感
* 起床時の口腔乾燥感
* 精神症状、性格変化(うつ、気力減退など)
睡眠時無呼吸症の主な合併症
1. 脳梗塞
2. 心筋梗塞
3. 不整脈
4. 高血圧
5. 糖尿病
生活環境の変化により日本国内でも約400万人以上の潜在的な患者が存在し、今後もさらに増加傾向にあるとも言われている病気です。
疑いのある方は早期に専門医師による受診・検査をお勧めいたします。
当院では、「スリープスプリンント」というマウスピースによる治療を行っています。
就寝時にお口の中に装着して使用します。
スリープスプリント装着すると、下顎の位置が前方に固定されて舌が気道を塞ぐのを防ぎ、いびきや無呼吸の状態が改善します。
スリープスプリントは、以前は自費のみ(保険適用外)の治療でしたが、現在は耳鼻科、内科などで睡眠時無呼吸症と診断をうけ、治療依頼書を持参いただければ健康保険の適用が認められるようになりました。
▶︎保険適用のスリープスプリント
上下顎一体型で、お口を動かすことはできません。
お話をする時、咳やくしゃみをする場合は外す必要があります。
鼻がつまっている時は、口呼吸することができません。
顎の位置の調節をする時は作り直すことになります。
▶ソムノデントアヴァント(自由診療のスリープスプリント)
ソムノメッド社の新型のスリープスプリントです。
①患者さん個々の歯列にあわせてカスタムメイドされた上顎/下顎が分離した口腔内装置です。
上下の閉塞に併せ左右側方に自由度があり、より快適に使用出来ます。
(顎関節疾患、歯ぎしり等を合併している患者さんにも効果があります)
②口腔内に装着したあとでも咳・くしゃみ・会話・飲水などの日常生理変動に対応ができます。
(花粉症・咳喘息などの時でも補助的に口呼吸ができるので拘束感なく安心してご使用ができます)
③装置の内面は柔らかい素材を用いていますのでフィット感、装着/脱着も簡便で耐久性に富んでいます。
④口腔内装置に必須条件とされている下顎位置の調軽がチェアサイドで簡便にできます。
(睡眠時無呼吸治療の効果/効能/副作用が発現した時に調整します)
下顎位置の調整は専用ストラップで行います(1mm単位)
金額:165,000円(税込)
※3年の保証期間があります。
※保険適用外となります。
※歯や歯ぐきに痛みや違和感が生じる場合がございます。
①問診・口腔内検査
患者さまのお悩みをヒアリングし、レントゲン撮影などを行い口腔内を検査します。
その際、むし歯や歯周病などがある場合は先に口腔内の環境を整えるため、治療を行います。
②治療計画のご説明
検査の結果をもとに患者さまへ治療計画のご提案をさせていただきます。
保険適用か自由診療かなどのご希望も伺い、患者さまに選択していただく形でご提案させていただきます。
※保険適用をご希望の場合、連携の医療機関をご紹介させていただきますので、医科による紹介状をいただき再来院していただきます。
③型取りと顎の位置決め
歯の状況やかみ合わせを的確に把握するために、精密な型取りを行います。
④スリープスプリントの製作
患者さまにあったスリープスプリントを製作するために、専用のラボで製作しています。
⑤完成・効果測定
スリープスプリントの装着方法、取り扱い方法などを説明し、お持ち帰りいただきます。
その日の夜からご使用ください。
使用後1ヶ月ほどでスリープスプリントの使用状況などのチェックを行います。
毎晩朝まで使用できるようになりましたら、効果判定の検査を行います。